ハルマゲドン幻想4（夢2）

天からの声は、男性の声で淡々と僕に語りかけた。

「お前の母親は、人類を観察するために送り込まれた宇宙人だったのだ。」

どうやら、夢の中のハルマゲドンの世界では、人類は失敗し、破滅してしまったようだ。それで真実を隠す必要がなくなり、声の主は僕に母親の正体を明かしたのだ。

その時、突然場面が転回し、いつの間にか僕と母親はベランダから空を眺めていた。

母親の顔は、無機質な顔でなく、人間味のある優しい表情に変わっており、あの赤黒かった終末世界の空は、美しい青く澄み渡った空に変転していた。

そして、その空には、太陽の代わりに白い髭の厳つく精悍な顔の老人が浮かんでいた。夢の中の僕は、その老人を神だと素直に思った。

続く